ミュージアム総合カタログ Vol.1 35-36(36-37)

概要

  1. 文化財劣化対策
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文化財劣化対策 ○ 温度・湿度・ 鑑賞者(人間)と文化財が共存する展示室。快適な空気環境には空気調和設備が不可欠です。 ・文化財公開指針 ・建築基準法 ・ビル管理法 展示ケース内相対湿度管理は、文化財保存のため重点管理項目です。 展示資料の保存に適する湿度 展示資料の材質 相対湿度(%) 注意事項 パステル画・木彫品・ろう製品・テラコッ夕、粘土品、 陶器・武器甲ちゅう類・科学器具・金属品・鉱物・金貨 40~63 ●高温高湿は金属の劣化を早める。特に金銅仏・鉄仏は高温高湿に弱い。 ●刀剣の錆はほこり・指紋により、さやあたりなどから生じやすい。 ●甲ちゅうなどの金属には石油ゼリーを表面にぬるとよい。 ●ろう製品はかびが発生しやすい。 ●木彫品は虫害・腐朽による損傷が多い。急激な温湿度の変化を避けるために布でカバーするとよい。 ●塑像・乾漆像は振動に弱い。 粘土板(焼かないもの)・家具類・ガラス・皮革製品・ 毛皮・ミイラ・エッチング・水彩画・不透明水彩画 45~63 ●ミイラは密閉したケースに入れるとよい。 ●粘土板は湿度を一定に保つようにする。 ●ガラスの額装の場合、温度が下がった時にガラス内の湿度が逃げす、かびの原因となることがある。 写本・洋皮紙・彩色された原稿、子牛の皮紙 45~63 ●薄い織物などで隔離し、重ね容器に入れて保存する。 印刷された本・地図・新聞紙 45~63 ●虫害の発生を防止する。 石灰岩(大理石)・砂岩 45~63 ●麦わらで覆った麻袋に入れるとよい。 カーペット・衣類・つづれ織り・レース類・装飾陶器・ 一般織物・象げ・ニス類 50~63 ●染織色は最も痛みやすく、風化による老朽速度が早く耐久性に乏しい。特に光とほこりに弱い。 ●一般の織物は紙で包むほうがよい。装飾陶器は薄い布で梱包する。 動物・植物 50~63 ●定期的に点検する。 フィルム・郵便切手・のり付ラベル 50~63 ●背面にのりが付いているので、乾燥した室に入れたほうがよい。 油絵・画板・カンバス・木製パネル 55~60 ●油絵は、一般に16~18℃、58~63%が推奨されている。 ●一定温湿度を保つほうがよい。 寄木細工・象がん細工・漆器具 55~63 ●漆工品は特に紫外線と乾燥に弱い。 金・宝石・水晶・石膏 無関係 ●ちりよけのシートを利用する。 日本建築学会:文献(2)より ○ 光・ 室内は保存と鑑賞に適切な照度を確保する必要があります。 蛍光灯に替わる照明としてLEDが主流です。紫外線を含まない光を持つLEDを採用した場合、文化財には安全な照明といえ ますが、劣化防止のため、文化財の状態と曝露時間を考慮して展示計画を立てる必要があります。自然光を取り入れる場合は、 紫外線対策を考慮することが大切です。オカムラでは、設計者及び照明デザイナーのご指導の下、最適な照明器具・システム をご提供いたします。(→P.44参照) 展示物に対する各国の推奨照明基準(lx) 展示物 ICOM(仏) IES(英) IES(米) 金属、石、陶磁器、ガラス、 宝石、ほうろう、 ステンドグラス 制限なし ただし300lxを超える必要 はほとんどない (色温度4000−6500K) 制限なし ただし展示と放射熱に 制約される 200−300−500 油絵、テンペラ絵、 天然皮革、骨、象牙、 木製品、漆 150−180 (色温度4000K) 150 75 (年間18万lx−h) 角、織物、衣装、水彩画、 印刷物、素画、切手、 写本、染色皮革 50 (色温度2900K) 50 50 (年間12万lx−h) 展示物に対する日本の推奨照明基準(lx) 展示物 JIS(日本) 彫刻(石、金属)、造形物、模型 750−1000−1500 彫刻(プラスタ、木、紙)、洋画 300−500−700 ガラスカバー付絵画、日本画、工芸品 150−250−300 はくせい品、標本 75−100−150 収納庫 30−50−75 文化財の保存には、湿度・温度や光、空気汚染、ムシ・カビへの対策が欠かせません。・ また、地震を含む自然災害や、火災・盗難などに対するセキュリティ対策も重要です。 35 ・
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○ ムシ・カビ・ 生物の育成に必要な栄養素がある限り、文化財の生物被害は避けられません。以前は虫菌害 に対しガス燻蒸が最善であるという、いわゆる燻蒸神話が長く続いていましたが2005年、臭化 メチル完全撤廃を境にIPM(Integrated Pest Management)へと取組みが移行しています。 オカムラでは文化財保存に対する有資格者の育成にも力を入れ、什器の提供だけではなく、展 示ケース及び収蔵庫の空気環境調査、環境測定などを実施し、文化財保存の一助となるようお 手伝いさせていただきます。(→P.53,54,88参照) Integrated Pest Management (総合的有害生物管理) Avoid (回避) Block (遮断) Detect (発見) Treat (対処) Recover (復帰) IPMの概念 ○ 空気汚染・ 窒素酸化物、硫黄酸化物、ホコリ、PM2.5などによる大気汚染 から、建材・接着剤などに含まれるホルムアルデヒド、コンクリー トから放散するアンモニア、木材・木質材料に含む酢酸・ギ酸まで。 これらの例からもわかるように、さまざまな原因による空気感 染への対策が必要です。館内に外気を導入し十分な換気が 必要ですが、化学フィルターによるガス吸着が前提となります。 展示ケースの性能は、汚染空気のケース内侵入防止を考えた 場合エアタイトを推奨しますが、近年、エアタイトであるための 弊害が起きています。オカムラでは、ケース内空気環境をより よい状態にするための、研究・検証を行っています。 (→P.49参照) 管理目標値(単位:ppb) アンモニア ホルムアルデヒド ギ酸 酢酸 備考 短期の借用 < 30 < 80 < 20 < 17 相対湿度60%以下 長めの展示 < 30 < 40 < 10 < 80 相対湿度60%以下 レベル1 < 30 < 20 < 10 < 40 長期収蔵 レベル2 30〜50 20〜40 < 20 40〜80 シーズニング中(夏季) レベル3 50〜100 40〜80 < 20 80〜170 竣工直後の管理目標 レベル4 > 100 80〜120 20〜50 170〜400 工事直前の管理目標 レベル5 > 100 > 120 > 50 > 400 緊急な改善が必要 出典:「博物館資料保存論」佐野千絵、呂俊民、吉田直人、三浦定俊 著(発行:みみずく舎) ○ セキュリティ・ 万一の火災・盗難や日常を含むあらゆる人的リスクから文化財を保護することが大切です。オカムラの展示ケースは保安性が 高いカギを使用、また収蔵庫は、耐火・防盗・安全性に優れ、空気環境にも配慮した設計を行っています。 また建物内のゲート入退室管理やカメラによる監視など、トータルセキュリティを目指してます。(→P.52参照) ○ 地震含む自然災害・ 地震国の日本では地震対策は必須項目です。オカムラでは建 築に付随する製品の耐震基準を、官公庁耐震基準に則り、水平 加速度0.6G、垂直加速度0.3Gと定めています。 また、阪神大震災以降、文化財の地震対策に有効な技術として 導入されている免震装置については、建物の条件や状況を判断 し最適な方式をご提案いたします。(→P.48参照) 異常気象が続く昨今、ゲリラ豪雨や河川の氾濫から文化財を保 護する対策も必要です。オカムラでは建物内への浸水を未然 に防ぐ防水板をご用意しています。(→P.136参照) 1500 1500 800(緩衝領域) 案ーA(床免震+ケース内免震)型・・・緩衝パネル有り ガラスケース ガラス ケース 免震床 1500 1500 案ーF(機器免震+ケース内免震)型 ガラスケース ガラス ケース 1500 250 250 1500 20 案ーC(床免震)型 ガラスケース ガラス ケース 免震床 ・壁面展示ケース 床免震(本体は耐震) ・展示室一部床免震 1500 1500 800(緩衝領域) 案ーA(床免震+ケース内免震)型・・・緩衝パネル有り ガラスケース ガラス ケース 免震床 1500 250 250 1500 20 案ーC(床免震)型 ガラスケース ガラス ケース 免震床 ・展示室全面床免震 1500 1500 800(緩衝領域) 案ーA(床免震+ケース内免震)型・・・緩衝パネル有り ガラスケース ガラス ケース 免震床 1500 1500 案ーF(機器免震+ケース内免震)型 ガラスケース ガラス ケース 1500 250 250 1500 20 案ーC(床免震)型 ガラスケース ガラス ケース 免震床 ・壁面展示ケース 床免震(本体は耐震) ・独立展示ケース 個別免震 36 ・

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