ミュージアム総合カタログ Vol.1 53-54(54-55)

概要

  1. 展示ケースの構成と性能
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[ 虫害対策 ]オペレーション技術 保存技術 500万種ともいわれている昆虫類。大切な文化財に食害を与える昆虫も多く存在します。 まずは建物内に入れないことが大切です。しかし、人間に付着して、あるいは文化財と一 緒に入ってしまうこともあり、完全に防止することは不可能です。日頃の目視による点検・ 観察を継続され、万一生息を確認した際は、清掃とトラップ観察・調査、最終手段として 脱酸素・低温・薬剤による処理を専門業者に委託しなければなりません。 オカムラでは、虫が発生しない材料を使用した展示ケース製作を基本とし、万一虫害発 生の際は、防止・駆除のサポートをお受けいたします。その折は担当者へお問い合わせく ださい。 文化財の材質による主要害虫一覧表 植 物 質 文 化 財 1.木材 建造物・大型文化財 ミゾガシラシロアリ科、レイビシロアリ科、シバンムシ科、ヒラタキクイムシ科、カミキリムシ科、ゾウムシ科、オサゾウムシ科、 ナガシンクイムシ科、キクイムシ科、タマムシ科、アリ科、コシブトハナバチ科などに属する昆虫 木彫仏像・屏風、その他小型文化財 シバンムシ科、ミゾガシラシロアリ科、レイビシロアリ科、ゴキブリ科、チャバネゴキブリ科、コシブトハナバチ科などに 属する昆虫 2.竹材 ヒラタキクイムシ科、ナガシンクイムシ科、ミゾガシラシロアリ科、レイビシロアリ科、オサゾウムシ科、カミキリムシ科な どに属する昆虫 3.紙 シバンムシ科、シミ科、ゴキブリ科、チャバネゴキブリ科、コナチャタテ科、アリ科、ミゾガシラシロアリ科、コチャタテ科な どに属する昆虫 4.綿・麻 ミゾガシラシロアリ科、シミ科、ゴキブリ科、チャバネゴキブリ科、ヒロズコガ科などに属する昆虫 5.畳 シバンムシ科、ナガシンクイムシ科、ミゾガシラシロアリ科などに属する昆虫 6.・乾燥植物 (薬草・染料植物など) シバンムシ科、ヒョウホンムシ科、カツオブシムシ科、コナチャタテ科、コチャタテ科、ヒロズコガ科などに属する昆虫 動 物 質 文 化 財 1.羊皮紙・毛皮 カツオブシムシ科、ゴキブリ科、チャバネゴキブリ科、ヒロズコガ科などに属する昆虫 2.毛織物 ヒロズコガ科、カツオブシムシ科、シミ科などに属する昆虫 3.絹 ゴキブリ科、チャバネゴキブリ科、シミ科、カツオブシムシ科、ヒロズコガ科などに属する昆虫 4.動物標本 カツオブシムシ科、ゴキブリ科、チャバネゴキブリ科、ヒョウホンムシ科、コナチャタテ科、コチャタテ科、シバンムシ科、 ヒロズコガ科、アリ科、シミ科などに属する昆虫 文化財を汚染する その他の害虫 イエバエ科、ヒメイエバエ科、アナバチ科、ドロバチ科などに属する昆虫など 出典:「文化財害虫事典 2004年改訂版」東京文化財研究所編 クバプロ 展示ケースの構成と性能 53 ・
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[ カビ対策 ]オペレーション技術 保存技術 高温多湿の日本ではカビの発生・育成しやすい環境下にあると言わざるを得ません。生物 被害でカビの影響による文化財の劣化は害虫のそれと同様重要な問題です。万一カビの被 害を確認された場合は、速やかに専門会社または研究機関へご相談することをお奨めします。 湿性 発育範囲 乾性 発育範囲 等水蒸気圧線 40mmHg 3mmHg 相対湿度[%] 気 温﹇ ℃ ﹈ 40 35 30 25 20 50 60 70 80 90 100 15 10 0 5 6 8 12 16 20 24 28 32 36 カビの予防・  カビなどの微生物被害を防ぐには、水分(湿度)の制御と、栄養源の除去(埃や汚れなどの除去)がもっ とも効果的である。カビは、相対湿度が60%より高い環境でのみ生育するので、可能であれば、相対 湿度を60%未満に保つことが、ことのほか重要である。材質の性質上、比較的高めの湿度で保存しな ければならない文化財では、環境の湿度が高くなりすぎないよう、十分な注意を要する。また、水分の 制御という意味では、結露や漏水などが展示収蔵環境で起きないよう、最新の注意が必要である。具 体的には、結露を避けるため、建物の外壁の裏側にあたる壁面に接して棚や資料を置かない、床面に 直接資料を置かない、収納棚の一番下の棚は、床面から最低10cmは上げる、空気の澱みが起きない よう、空気循環を確保する、などの点に注意する。  湿度が上昇する梅雨から夏季にかけて、空調設備が十分出ない施設では、除湿機がカビ予防の強力 な助けとなる。除湿機と空気清浄機の組み合わせも有効である。ただし、除湿機の設置法によっては 室内が高温になるので、高温になりすぎないよう、空間の大きさと除湿機の能力をよく検討することが 大事である。  また、温度もカビの生育を遅くするという意味では、低い方が望ましい。 出典:「文化財の保存環境」東京都文化財研究所編 中央公論美術出版 温湿度とかびの発生限界 乾性かび、湿性かびの発育限界を表す相対湿度・気温線 図です。図中に示されているかび発生限界線内に入らな いように、収蔵庫、展示室の温湿度条件を維持しなけれ ばなりません。 54 展 示 ・

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