ミュージアム美術館・博物館総合カタログ Vol.01 45-46(46-47)

概要

  1. 展示ケース 照明
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展示ケース:照明[照明]展示設備オペレーション技術保存技術・照度(ルックス:lx)調光機能(10%〜100%の範囲)によって、より適した照度に調整します。必要以上に照度を高くすると、グレア(まぶしさ)や、放射により展示物に損傷を与えることがあるため、控え目の値とします。調光は何台かを同時に調光する方式もあります。・照度均斉度照度むらのない展示をするために、展示壁面の照度均斉度(最低照度と最高照度の比)が1:3以内、もしくは0.7以上となるように照度器具の配光や取り付け位置を検討します。※照明メーカーで事前に照度計算が可能です。・演色性(Ra)色の再現性を表す平均演色評価数Raが90以上の光源が推奨されています。・色温度(光色 ケルビン:K)ICOMでは50lx時に2900K、150~180lx時は4000Kなど、照度を下げると同時に色温度も下げて見せることを推奨しています。色温度を可変できるLED照明(2700K~4500K)もあり、対応しやすいと言えます。・グレア(まぶしさ)の防止光源が直接目に入らないように、照明器具の位置や配光、照射角度の調整を行います。照明器具自体も鑑賞の邪魔にならないよう、極力目に入らないような配慮も有効です。・照明の確認大型の壁面ケースの場合など、事前に照明実験室で実寸大のモデルを作り、照度・均斉度を検証、調整をすることも有効です。また列品作業中に照明を離れた位置からでも確認できる、リモコンによる調光・調色装置も壁面ケースでは大変便利です。○展示に必要なあかりより美しい展示に必要なあかりとして、展示室や展示ケースに照明器具は不可欠ですが、照明器具を用いた展示ケースのあかりとして、注意・考慮すべき点があります。○LED照明の特性と種類蛍光灯が製造中止になった現在、照明器具はLEDが主流です。省エネルギー、長寿命で紫外線や赤外線をほとんど含まないことが特徴のLED照明。一方で、くっきりとした影やまぶしさ(グレア)、複数の影が重なるマルチシャドウが展示を邪魔するという性質もあります。照明器具の種類や性能を理解した上で、取り付け位置や配光などに配慮しつつ、展示物をより美しく、立体的に見せるために複数の照明器具を組み合わせるなど、十分な照明計画が必要とされています。○室内とケースのあかるさ・例1:室内の照度を展示ケースの照度より下げる(展示ケース内の照度を部屋の照度より上げる)展示品が引き立ち、室内の映り込みを防いで、鑑賞に集中しやすい環境となります。展示室の内装や展示ケースを黒色で統一すると、より効果的です。ただし鑑賞者がケースのガラスに気づかずににぶつかったり、つまづいて転んだりしないような配慮も必要です(イ)。・例2:展示空間全体(室内と展示ケース)の照度が高い展示ケース内が明るくても、床材や室内照明を工夫することで歩きやすい環境となります。この例では、複数の展示ケースが近くにレイアウトされた場合、照明の映り込みが起きることがあります(ロ)。この場合は低反射フィルム(※P.44参照)を使用することで、映り込みを低減することができます。展示物や展示室の広さ、構成などで使い分けをすることでメリハリを出すこともできます。2700K(イ)(ロ)マルチシャドウ例4500K45
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○光環境 光の量と紫外線対策展示室や展示ケースの照明は調光装置を付け、展示物の推奨照明基準に沿って調光することが必要です。同時に展示物に悪影響のある紫外線の防止に、紫外線の発生がないLED照明の使用や、紫外線を99%以上カットできる飛散防止フィルムや低反射フィルム(※P.44参照)の使用が有効です。またLED照明は色温度の調整(調色)ができるものも多くあります。○壁面展示ケースの照明(種類と特性)上部のウォールウォッシャーがベースの照明になります。この照明には、遠くまで均斉度を高く照らせるように、特殊な反射板が付いています。(照明メーカーにより性能が異なる。)ウォールウォッシャーを補助する照明・上部スポットライト:配光調整が可能。・下部アッパーライト:高さのある壁面の均斉度を上げる。また展示床面や展示台に単色の取外し式スポットライトを付ける場合もあります。2700K~4500Kでの調色と調光が可能な機種が多くあります。LED照明は赤外線はほとんど含まないので、あかり自体は熱は発生しませんが、機器類は熱を発生しますので、落下防止も兼ねた飛散防止フィルムを貼った熱切ガラスを設けます。※スポットライトの調光は2タイプがあります。○独立展示ケースの照明(種類と特性)独立ケースでは鑑賞者が展示品に近づくことで照明も近くなり、グレアにはより注意が必要です。ハイケース、行灯型ケースは上部のベースライトを基本に、必要に応じて上部・下部の小型スポットライトなどを用います。ケースの照明が壁面ケースなどのガラス面に映りこまないような照明、レイアウトも重要です。また室内のスポットライト等を使用した上部ガラス面のケースは、埃や塵などがあると光って目立ちますので、定期的な清掃など注意が必要です。調光・調色コントローラー※製品、仕様により異なります。展示ケースの照明設置例独立展示ケースの照明設置例※照明器具の仕様は各照明メーカーによります。 写真を含め器具は一例です。46展示

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