ミュージアム[美術館・博物館]総合2019-2020 89-90(90-91)

概要

  1. 展示パネル
  2. ヴィトラ
  1. 89
  2. 90

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○セキュリティダンパーダンパー自体が耐火・防盗仕様の製品。設備機器との連動も可能です。保存技術収蔵庫の構成と性能○一次壁体一次壁は耐火性が要求されます。火災や物理的な攻撃から文化財を守るいわゆる防御層です。また、庫内の最適な空気環境を保持するため、またムシの庫内進入を防ぐため、気密性も要求されます。床の耐荷重は概ね1t/m2以上が求められます。※一次壁体とは:コンクリート壁(またはセキュリティウォール)耐火ダンパー(またはセキュリティダンパー)収蔵庫扉(2時間耐火、30分耐火)空調パターン(一例)空気層一次壁体二次壁体パターン(1)パターン(2)空気層一次壁体二次壁体パターン(1)パターン(2)保存技術○出入口収蔵庫の出入り口は1か所が望ましいといわれています。また上記より耐火性・防盗性・気密性が要求されます。法規上は特定防火設備で問題ないですが、万一の文化財消失等を防止するため、それ以上の仕様が要求される場合があります。施錠は2種類の異なった錠前の組合せを標準にすることで、防盗性を向上させています。収蔵庫は広いスペースが多く、ラックの配置により人の存在が確認できない場合があります。最終収蔵庫扉を閉扉・施錠する際は、必ず声をかけ庫内が無人であることを確認してください。万一閉じ込められてしまった場合でも、強制的に脱出できる非常脱出装置を標準装備しています。また、少しでも段差があると転倒の危険があります。人のケガもそうですが文化財の破損・破壊も防止するため、扉の沓摺部にも段差は生じない安全設計になっています。オカムラでは、長年の金融機関向け金庫扉で培った技術を活かし、収蔵庫扉についても、日セフ連認定のハイグレード品をご用意しています。保存技術○セキュリティウォールコンクリートに替わる、乾式金庫パネル。メリットは、コンクリートと同等強度・仕様で約1/3の軽量と工期短縮がはかれる。全国金融機関の金庫室で多くの実績があります。保存技術89
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○二次壁体文化財をよりよい空気環境で保存するため、現代は空気調和設備に頼らざるを得ません。文化財に合わせた温・湿度設定が必要なため、設備的にはハイスペックが求められます。外気を庫内に導入する際は、汚れた空気を直接入れると劣化の原因となるため、フィルターの設置も必須です。またコンクリートや建材から放散される、アンモニアや酸性物質のフィルター設置もあり、メンテナンス計画を十分に練ることも重要です。オカムラでは、二次壁体に調湿材(吸放湿性能に優れた建材)を用いた内装システムにより、空調設備の稼動をサポートします。放散ガスの少ない部材を選定することで、庫内空気の清浄化にも寄与します。※二次壁体とは:一次壁体の内側に設ける床・壁・天井のことで、一次壁体が防御層ならば二次壁体は文化財をやさしくまとう羽毛のような役割。 収蔵庫空調仕様は、空調設備会社が計画しますが、収蔵庫の壁・棚と取り合いも多いため、事前のすり合わせを希望します。床は二重とし木質フローリング仕上げが一般的ですが、耐荷重は500㎏/m2以上を要求される傾向が多く見られます。ガス消火設備を設けることがほとんどのため、内装下地は耐風圧仕様を標準としています。収納別耐熱温度(参考)収納物耐火金庫の性能区分(温度)現金、利権書、重要書類、小切手、約束手形等JIS177℃綿・麻(140℃)熱硬化性プラスチック(フェノ一ル、メラミン、ポリエステル等)(120〜177℃)熱可塑性プラスチック(スチロ一ル、ABS、ナイロン、塩ビ等)(80〜100℃)合成繊維・絹(100℃)レントゲンフィルム、写真用フィルム(105℃)マイクロフィルムアパチュアカード、マイクロフィッシュ、ジャケット、ストリップフィルムロールフィルム(80℃)映画用フィルム、合成紙洋画、日本画、掛け軸 注1宝石ダイヤモンド、ルビ一、サファイヤ、アレキサンドライト、ヒスイ 注2(177℃)キャッアイ、エメラルド、オパール、琥珀、真珠(66℃)刀剣類、IC、トランジスタ、カメラ、時計 注3磁気テープ、ビデオテープJIS66℃フレキシブルディスクカートリッジJIS52℃光ディスク(50℃)※()の温度は収納物の耐熱温度の目安注1)洋画・日本画の類は、火災時に焼失しないというだけでなく、変色、変質しないことを耐熱温度の目安とします。注2)ダイヤモンド、ルビーの類は耐熱温度は177℃以上ですが、そのまま金庫に収納すると、火災時に宝石を包んでいる布及びケース(樹脂製)等が炭化または溶解し、宝石の表面がくもったり、とじ込める恐れがあり、配慮が必要です。注3)刀剣類の刀身自体は問題なくても、柄(つか)、鞘(さや)に変化が生じ、美術的価値を損なうことがありますので、各部の材料の耐熱性を考慮しなければなりません。※湿度の影響を受けやすい収納物は、耐湿性のあるものを選びます。出典:金庫診断士ハンドブック(日セフ連)オペレーション技術保存技術90収蔵

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