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考えた内視鏡学を広めたいと考えていることなどをメールでお伝えしました。私の熱意が伝わったのか、先生はすぐに返信をくださり、何度も当院に足を運ばれて、内視鏡の現場を見学した上で、様々な改善策を提案してくださいました。 そのひとつが「立つ」と「座る」を組み合わせた作業環境=sit-standworkstationです。常に立った状態もよくないが、どんなによい椅子でも常に座った状態、同一拘束姿勢となるのを避けた方がよいと。(参考文献1) 内視鏡業務にこの作業環境を取り入れる上で最適なのは、座面が高めの椅子、そしてフットペダルを操作するため、座面が傾き、自由に揺れ動く「ウブルスツール」がよいかもしれない、とヒントをいただきました。内視鏡の世界に啓蒙していくためには、企業さんの力も絶対必要なので、やはり国内メーカーだろうと。そこで、オカムラさんのピルエットを試しに1台購入しました。一日どのくらい内視鏡室にいらっしゃいますか◎松崎 一日の半分以上ですね。他の先生たちもだいたいそれくらいです。昔の消化器内科医は、胃カメラなどの内視鏡検査を中心に行っていましたが、これまで外科医がやっていた手術の一部が内視鏡でもできるようになり、内視鏡業務時間が増えてきているんです。1回の治療は短いものだと15分とか20分で終わるものもありますが、何時間にわたるものもあります。◎常見 看護師は一日中です。休憩時間以外は、ずっと立ちながら内視鏡調査の助手、患者のケア、そして内視鏡の洗浄業務をしていました。それまで体への負担はいかがでしたか◎松崎 1時間くらい内視鏡治療をしていると、腰が痛くなり、足もしびれてきて、誰か交代してくれないかな、という感じでした。でも難しい治療の場合は、そうはいきません。内視鏡もそこそこの重さがあるので肩や腕も痛くなってきます。◎常見 医師だけでなく、看護師や他のスタッフも作業中はずっと立っていますから、やはり腰や足の疲労感がひどかったですね。女性は特に足がむくむんです。当時は、〝看護師は立って仕事をする〟という考え方にあまり疑問を持っていませんでした。ピルエットをお使いになっていかがでしょう◎松崎 コルセットして働いていたのが、ピルエットを使うことで腰痛も足のしびれも無くなり不要になりました。ピルエット自体は、想像以上にしっかりしていて、安定感があります。内視鏡業務に理想的な椅子であり、私がわざわざ一から開発する必要がなくなってしまったわけです。少し安い海外製の「ウブルスツール」も後日試したのですが、まったく別物でした。最初にピルエットに出会えてよかったと心から思っています。 私は自分が術者でなく助手の時も、ピルエットを持ち込んで使っています。マイピルエット、もう欠かせないパートナーです。すべての内視鏡医に使ってほしいのはもちろんですが、内視鏡業務は看護師、技師、洗浄員など多くのスタッフによって支えられています。そこで、現在は研究や教育に熱心な常見看護師に、ピルエットの啓蒙活動を行ってもらっています。(参考文献2、3)◎常見 正直、最初はどう座ればいいのかなと、ちょっと戸惑いはありました。グラグラしますし、座面の調整も自分にとってどれくらいの高さが最適なのかとか。でも、使っているうちに慣れてきて、だんだんうまく使いこなせるようになりました。最初はほとんどのスタッフが低めの高さにして座ることが多いので、「少し腰かける看護部 内視鏡技師 常見麻芙さん現場の医師の3
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感じで座る椅子だよ」と教えています。ピルエットは揺れ動くので、座った状態でも同一拘束姿勢になりにくいのですが、やはり姿勢変換が大事なので、「ちゃんと立ったり、座ったりするんだよ」と教えています。 今は主に外来で使っていますが、足の疲れも以前と比べてかなり楽になりました。ピルエットを使うことで負担が軽減されたと感じています。 現在、外来には3台置いてあり、看護師が使っています。うまく活用しているようで、すごくいい椅子だと評判です。電子カルテを見ながら作業することが多いので、その時はピルエットにちょっと座って作業して、先生に呼ばれたらすぐに動く。ピルエットは、外来業務との相性も良いと思います。デザインなどの印象はいかがですか◎常見 色もいろいろ選べますし、女性としてはカラフルなのがいいですね。とは言え、病院で使うものなので、あまり派手な色はNGですが、ピルエットの色はいいですね。形もかわいらしくていいなと思います。マカロンみたいですよね(笑)。参考文献1EbaraT,KuboT,InoueTetal.Effectsofadjustablesit-standVDTworkstationsonworkers’musculoskeletaldiscomfort,alertnessandperformance.IndHealth2008;46:497-5052松崎一平,服部昌志,山本孔次郎,榎原毅,中村正直,藤城光弘,連載:Sit-standendoscopicworkstation-人間工学から考える内視鏡.臨牀消化器内科vol.35No.6;661-666,2020日本メディカルセンター3TsunemiM,MatsuzakiI,HattoriMetal.Sit-standendoscopicworkstationswithwobblestoolsfortheendoscopist;assistant,andendoscopynursesinanendoscopyunit,Endoscopy2020,52(09):E324-3254
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