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5室内空間は地球環境につながっている人が活動する空間を構成する、内装や家具。そこに天然素材を使うとき、室内空間と地球環境のあいだには、深いつながりが生まれます。例えば日本国土の7割を占める森林。その4割にあたる人工林は、木材生産のための、いわば「木の畑」です。しかし国産材の利用が減って久しく、人工林は経済環境から外れて荒廃の危機にあります。そこで積極的に国産材を使うことが、日本の森林を持続する鍵となるのです。世界では森林の減少が問題となっています。現在、全世界の陸地面積の約3割を占める森林ですが、毎年約330万ha※が減少しています(2010年から2015年までの平均)。中国やオーストラリアなど、森林面積が増加している一部地域・国もありますが、世界全体としては減少の一途を辿っています。とくに減少しているのが、ブラジルやインドネシア、ミャンマーなどの熱帯地域※。その主な原因のひとつが違法伐採です。日本も安い外国産材を輸入することで違法伐採を助長する一方、国産材が使われなくなり、結果として国内の林業を衰退させることにつながってしまいました。※出典:国際連合食糧農業機関(FAO) 「世界森林資源評価(GlobalForestResourcesAssessment)2015」
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6S30(1955)35(60)国産材木材自給率(S61)35.0%木材自給率最低(H14)18.8%現在(H28)34.8%輸入丸太輸入製品輸入燃料材40(65)45(70)50(75)55(80)60(85)H2(90)7(95)12(2000)17(05)22(10)28(16)020406080100(%)02,0004,0006,0008,00010,00012,00014,000(万㎥)木材供給量木材自給率1050100150(万ha)234567891011111153143159121314151617181920+(齢級)50年生を超える人工林50%858971011162235345819161310917日本の人工林をめぐる現状、国産材利用の必要性[人工林の齢級構成の変化]出典:林野庁「平成30年度森林・林業白書」よりなぜ、今、「国産材」なのか?日本におけるスギやヒノキ等の人工林の年齢(齢級※)構成は、右のグラフのようになっています。木材としてちょうど使い時に当たる50年生(10齢級)前後の木が圧倒的に多くなっており、日本の森林資源がまさに利用期を迎えていることを示しています。将来にわたって日本の森林資源を持続的に利用していくためには、どの齢級の人工林も同じぐらいの量となるのが理想的です。そのためには、今、国産材を積極的に活用し、その利益を森林所有者に還元して再造林が進むような環境を整える必要があります。※齢級とは、林齢を5年の幅でくくった単位。苗木を植栽した年を1年生として、1〜5年生を「1齢級」と数える。[木材供給量及び木材自給率の推移]国産材をめぐる状況~なぜ、国産材は使われなくなったのか日本では、戦後復興期の大量伐採により森林資源が枯渇したため、スギ・ヒノキを中心とした人工林が造成されました。しかし木材が建築材料として使えるようになるのは、植えてから約50年後。目下の森林資源の不足を補うために木材の輸入が自由化され、安い外国産材が国内で流通するようになります。さらに建築の主流も木造から鉄筋コンクリート造や鉄骨造へ変わったため、ますます国産材が使われなくなりました。今、ちょうど利用期を迎えている日本の人工林を「伐って、使って、植えて、育てる」ことで、次世代に引き継いでいくことが求められています。出典・参考:ウッドソリューション・ネットワーク「木質空間デザイン・アプローチブック」2018林野庁をはじめとした国の取り組み木材の利用を促進するため、国でも様々な取り組みが行われています。例えば、2010年に、木造率が低く潜在的な需要が期待できる公共建築物に重点を置いて木材利用を促進することを目的とした「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、木材を活用した公共建築物の事例が増えつつあります。また、林野庁では、2005年度から一般消費者等の木材利用に対する理解を深め、木材利用を拡大していくための国民運動「木づかい運動」を展開しているほか、2015年度からは、新たな分野における木材利用の促進を目的として「ウッドデザイン賞」を実施しています。出典:林野庁「平成29年木材需給表」より
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