ミュージアム美術館・博物館総合カタログ Vol.01 価格改定版 47-48(48-49)

概要

  1. 展示ケース 温湿度管理/エアタイト性能評価
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A.エアタイトケース式(ケース内空間がほぼ密閉される方式)密閉度(エアタイト性能)の高いケース+調湿剤を用いて湿度を一定に保つ手法です。照明器具からのわずかな熱によって空気の対流が緩やかに行われます。B.ノンエアタイト式(ケース内空間が密閉されない方式)展示室内の24時間空調管理などで恒常的に温湿度を一定に保ち、ケース内は自然換気を行う手法です。メリット○外気のケース内流入を防止。○調湿剤の効果を最大限に発揮し、急激な湿度変化を防止。○他館との展示品貸し借り条件にも含まれる場合があります。○空気交換率で評価します。ケース納品時に測定いたします。デメリット▲密閉空間となるため、内装材からの微量な放散により、ガス濃度は上昇しやすく、定期的な換気が必要です。※Aの場合でも相対湿度に影響を与える温度をコントロールするため、展示室内の温度を空調によって一定にすることも重要です。※独立展示台は温度変化の影響は湿度変化より受けやすい。(20℃で相対湿度55%の状態で気温が5℃下がると、15℃で相対湿度は75%まで上昇します。)※A.B.いずれの場合でも、照明の熱の影響を抑えるため、熱切ガラスなどが必要です。(LED照明でも機器類からの熱は発生します。)※ノンエアタイトの場合は展示室内の温湿度が影響しますので、展示物によってはより適切な空調が必要になります。※展示室の空調が適切でない場合は、除湿機と空気清浄機の組み合わせも有効です。※ケース内の温湿度を一定に保つ空調式ケースの考え方もありますが、オカムラでは製作は行っていません(引き込む空調の展示品に直接に風が当たらないような風量調節、温湿度の制御技術、ダクトとの調整など、未解決事項があるため)  ※オカムラではエアタイトケースとして壁面展示ケースは空気交換率0.5回/1日以下、独立展示ケースは0.3回/1日以下を基準とし、展示床面下に調湿剤を入れるボックスを設け、展示ケースの扉を空けることなく調湿剤の交換作業ができるようにしています。※より高精度の空気交換率0.3回/1日の壁面ケース、0.1回/日の独立展示ケースも別途承っております、担当営業へご相談ください。※高精度な湿度計でも±2%の誤差、最大で4%の差が出ることもあります。ご留意ください。メリット○外気がケース内に入り込み、同調します。○ケース内のガスは換気されやすい環境。○エアタイトに比べて低コスト。デメリット▲ホコリや虫等の出入りを完全に遮断することはできません。▲展示室内の温湿度変化に影響されます。▲重要文化財クラスの展示は不可の場合もあります。室内空調展示室展示用に調湿された空気室内空調の空気エアタイトケース熱対流調湿剤[温湿度管理]保存技術○温湿度環境と展示ケース文化財などの展示・収蔵には適正な温湿度管理が求められており、展示ケースの構造には主に2つの方式があります。それぞれのメリットとデメリットを把握し、館の状況や展示作品に合わせてお選びください。展示ケース:温湿度管理/エアタイト性能評価室内空調展示室展示用に調湿された空気ノンエアタイトケース熱対流【エアタイトとは?】 英:Airtight「気密性」の意。ガスや空気が閉じられた空間から外部へ漏れ出ないようにすることを言います。「エアタイト」は完全に密閉された空間の状態のことを言いますが、「ノンエアタイト」は完全に密閉されていない状態のことを言います。美術品などを長期にわたって保存・展示するためのケースには、厳格な基準が求められます。47
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展示ケースの気密性能評価のひとつ、「空気交換率」測定方法事例と測定実績(抜粋)です。[エアタイト性能評価]展示用空間(換気量測定対象空間)捕気用チューブ捕気口還気口展示ケース展示ケース内外空気温度記録計酸素濃度計(往路)(復路)展示ケース 空気交換率測定実績(抜粋)ケース形状外寸(㎜)測定年月注入ガス目標値(回/日)測定値(回/日)WDH美術館ハイケース(連結式)3000135034002005年3月炭酸ガス0.200.06美術館平面型覗きケース(連結式)30009149002005年3月炭酸ガス0.200.18美術館壁面ケース24523120039652011年3月窒素ガス0.300.21美術館行灯ケース90090021002017年3月炭酸ガス0.300.07博物館ハイケース(連結式)※12900120029502007年10月窒素ガス0.300.22博物館傾斜型覗きケース18008508502012年3月窒素ガス0.300.28博物館平面型覗きケース15006009002022年12月窒素ガス0.300.11博物館行灯ケース1100110022002016年2月窒素ガス0.100.05資料館平面型覗きケース18009009702023年3月炭酸ガス0.300.28ルピナスシリーズ行灯ケース90090021002019年8月炭酸ガス0.300.04ルピナスシリーズ傾斜型覗きケース180090010002019年10月炭酸ガス0.300.16※2023年3月現在※1 ハイケース(連結式)適用:試験体は単体と3台連結、測定値は3台連結のもの測定状況試験の概要窒素ガスは調湿ボックスから注入48展示

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