ミュージアム美術館・博物館総合カタログ Vol.01 価格改定版 81-82(82-83)

概要

  1. 収蔵庫の構成と性能 二次壁体
  2. 収蔵庫の構成と性能 ラック
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収蔵庫の構成と性能○二次壁体文化財をよりよい空気環境で保存するため、現代は空気調和設備に頼らざるを得ません。文化財に合わせた温・湿度設定が必要なため、設備的にはハイスペックが求められます。外気を庫内に導入する際は、汚れた空気を直接入れると劣化の原因となるため、フィルターの設置も必須です。またコンクリートや建材から放散される、アンモニアや酸性物質のフィルター設置もあり、メンテナンス計画を十分に練ることも重要です。オカムラでは、二次壁体に調湿材(吸放湿性能に優れた建材)を用いた内装システムにより、空調設備の稼動をサポートします。放散ガスの少ない部材を選定することで、庫内空気の清浄化にも寄与します。※二次壁体とは:一次壁体の内側に設ける床・壁・天井のことで、一次壁体が防御層ならば二次壁体は文化財をやさしくまとう羽毛のような役割。 収蔵庫空調仕様は、空調設備会社が計画しますが、収蔵庫の壁・棚と取り合いも多いため、事前のすり合わせを希望します。床は二重とし木質フローリング仕上げが一般的ですが、耐荷重は500㎏/m2以上を要求される傾向が多く見られます。ガス消火設備を設けることがほとんどのため、内装下地は耐風圧仕様を標準としています。収納別耐熱温度(参考)収納物耐火金庫の性能区分(温度)現金、利権書、重要書類、小切手、約束手形等JIS177℃綿・麻(140℃)熱硬化性プラスチック(フェノ一ル、メラミン、ポリエステル等)(120〜177℃)熱可塑性プラスチック(スチロ一ル、ABS、ナイロン、塩ビ等)(80〜100℃)合成繊維・絹(100℃)レントゲンフィルム、写真用フィルム(105℃)マイクロフィルムアパチュアカード、マイクロフィッシュ、ジャケット、ストリップフィルムロールフィルム(80℃)映画用フィルム、合成紙洋画、日本画、掛け軸 注1宝石ダイヤモンド、ルビ一、サファイヤ、アレキサンドライト、ヒスイ 注2(177℃)キャッアイ、エメラルド、オパール、琥珀、真珠(66℃)刀剣類、IC、トランジスタ、カメラ、時計 注3磁気テープ、ビデオテープJIS66℃フレキシブルディスクカートリッジJIS52℃光ディスク(50℃)※()の温度は収納物の耐熱温度の目安注1)洋画・日本画の類は、火災時に焼失しないというだけでなく、変色、変質しないことを耐熱温度の目安とします。注2)ダイヤモンド、ルビーの類は耐熱温度は177℃以上ですが、そのまま金庫に収納すると、火災時に宝石を包んでいる布及びケース(樹脂製)等が炭化または溶解し、宝石の表面がくもったり、とじ込める恐れがあり、配慮が必要です。注3)刀剣類の刀身自体は問題なくても、柄(つか)、鞘(さや)に変化が生じ、美術的価値を損なうことがありますので、各部の材料の耐熱性を考慮しなければなりません。※湿度の影響を受けやすい収納物は、耐湿性のあるものを選びます。出典:金庫診断士ハンドブック(日セフ連)オペレーション技術保存技術81
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○ラック文化財を安全に保管する各種ラックをラインアップ。ラックの素材、形状、文化財の出し入れ、動線、空調吹き出し・吸い込み口との取り合い等さまざまな状況を考慮しレイアウト提案いたします。また収蔵リストにより、有効な保管方法も合わせてご提示いたします。地震発生の際、ラック自体の転倒を防止することはもちろん、棚から文化財が落下することも考慮してご提案しております。オペレーション技術保存技術82収蔵

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